Minakami Room

旅を続ける。考える。自由である。生きている。

祖母の話

こんにちは、Mistirです。

前回、「今後はバイク中心に好きなこと書きたい」とか言っといてなんだけど。
近況に絡めて少し話がしたくなってしまった。
忘れた頃に夢に出てくる祖母の話だ。
また夢に出てきた。

祖母の話

僕の家庭環境は少々複雑なので厳密に話すのは難しいのだけれど、高校まで僕は祖父母と同じ家で過ごしていた。
大学受験で半分ノイローゼみたいになっていた僕は祖父とひどく仲違いし、好きだった祖母にも大いに迷惑をかけてしまった。
祖父は知らないうちに鬼籍に入ってしまっていたらしい。
悲しかったけれど、相手の過ちを許し、相手の過ちを責めすぎる自分を省みるにはあの頃の自分は若すぎた。

一方の祖母は、僕が大学の頃に脳梗塞にかかってしまい、会話ができなくなってしまった。
もともと足が悪く歩けなかったところに重ねがけの不幸だった。
大学の頃、老人ホームに預けられていた祖母と一度会ったけれど、僕を見て何かを言いたそうで何も言えない、それだけしか分からなかった。

社会人になってから僕は東京に上京したので、祖母の世話は親に任せきりだった。

一年ほど前、親に無理を言って祖母にまた会わせてもらった。
親はあまり僕を祖母に会わせたくないようだった。僕に気を使っているのかもしれない。僕もなるべく親のことは詮索しないようにしている。

祖母は相変わらずだった。
僕をかろうじて認識しているようで、涙を流した。
僕は、ありがとう、ごめん、ありがとう、と、そんなことしか言えなかった。
ありがとうと言いたくなかったけれど、いつが最期になるのか分からないから、全て言わなければならないと、そんな義務感が僕にそう言わせた。
心からそう思っていたのだ。本当に申し訳なかった。本当に感謝していた。

その後、もともとたまに見ていた、祖母が急に元気に話し始める夢の頻度は上がった。
目が覚めた瞬間、夢だったことに気付く。
どうしようもないのだ。本当に、どうしようもない。

そして今年、コロナがやってきた。
2月頃に友人の結婚式のため地元に帰ったが、当然のように老人ホームは面会謝絶になっていた。

4月、5月、6月。
緊急事態宣言で鬱々とした日々を過ごしながら、祖母の夢を見る機会が増えた。
元気に話している祖母。元気に歩いている祖母。何も疑わず喜ぶ僕。

目を覚まして泣きそうになる。

外出自粛程度で、何が憂鬱だ、何が不自由だ、あの人に比べたら……

そんなことを思いながらも、やはり退屈なものは退屈で、じゃあ祖母のために地元に帰るかと言えば帰らず、僕は僕で適当に生活している。

ただ、やりきれない。
一言で言うなら、やりきれない。
悲しい夢じゃない。嬉しい夢だから、なおさら叩き落されたときの辛さが大きい。

教訓など何もない。
ずっと祖母のことを考えているわけにもいかない。
でも、今の気持ちをどこかに書かないでおくには荷が重すぎる。

少し吐き出したかった。
どうにかするために、じゃない。忘れるために。
自分が救われるために。

……。
次は「前回のアレはなんだったんだ?」ってなるようなこと書こうと思います。
実はバカなので新しいバイクを買い、納車待ちです。
でも感染者数の増大に憂鬱な日々が続いてます。納車されても下手すると乗り回せないなこれ……

ではまた。