Minakami Room

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映画 スーパーマリオブラザーズに滅茶苦茶モヤモヤした話

観てきました。

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以下、ネタバレ込みで語ります。




 

 

 

 

正直、ほとんどこの人と同じ感想です。

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良いところは本当に良かった。
吹替版声優陣の演技とか。
特に畠中祐のルイージ完璧だなとか。ゲームでたまに聞ける声と本当にそっくり。
ルイージの着信音がゲームキューブ起動音だったりとか。
「マリオカートの青甲羅お前かよ!」とか。
小ネタに愛が滅茶苦茶色々含まれてる、ってのは、分かる。

ドンキーの登場でかかる曲が「モンキーラップ」だったことと、ドンキーコング64勢がチラリと映ったというだけで、1億点加点したいくらいだった。


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だが、その上でモヤモヤするところはかなり多かった。

  1. クッパがキノコ王国に侵略した悪逆非道の悪いヤツなのはスーパーマリオブラザーズからの解釈一致なんだけど、自分の身内にそんな酷い扱いするヤツだったかなぁ?
  2. ドンキーってそんなオラオラ系キャラだっけ……それにクランキーが王……?ドンキーが息子……?

まあ、1に関しては僕がマリオ&ルイージRPGあたりから得た印象だし、2に関しては旧ドンキーコングアニメの印象だとか、結構さらわれまくってたSFC時代の印象であって、「作品によって設定違うんだから致し方なし」というのは、まあ分かる。
まあ、分かるんだが……

致命的解釈不一致な点がひとつあった。

それは、他でもない、マリオだ。

あなたにとってマリオとは?

マリオとはなんだろうか。
任天堂のアイコンだ。

その上で僕がかつてプレイしてきたマリオが登場するゲームを、触れた程度のものから何周もやったものまで、覚えている範囲で羅列すると……

  • スーパーマリオブラザーズ(シリーズ色々)
  • スーパーマリオ64
  • マリオオデッセイ
  • マリオ&ルイージRPG
  • スマブラ(初代、DX、Special)
  • マリオカート(シリーズ色々)

と、それなりに色々やっている。
特にマリオ64に至ってはスター120枚集めては、0から3週くらいはやっている。
その上で、思う。


マリオは、ヒーローなんだよ……


いや、もちろんピーチが強いのは全然アリだし、作劇として初代スーパーマリオブラザーズに準拠して「さらわれたピーチ姫を救う」という形になっていなかったことは、ある程度仕方ないと思う。

それでも。
やっぱり。


ピーチ姫の方が最初の段階とはいえ、身体能力が高いのだけはやめてくれよ……



男女だから、とかそういう話じゃない。
なんでヒーローがこれまでのゲームでずっとずっと助けられてきた側にトレーニング受けてるんだよ……


マリオの魅力って、あんな変な等身なのに、ゲームになると始まって数分でホッホホウヤッハーンとか言いながら前方三回転平然としやがるところだと思うんだよ。
それを筆者は「カッコいいもの」として観てたわけですよ。

スマブラDXのOP、観てくださいよ。

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マリオ、カッコいいでしょ。
こんな見た目なのに。

見た目だけならどう考えてもリンクの方がカッコいいよ。
でもそういう問題じゃないんですよ。

まあ……もちろん、「マリオがキノコ王国に来る前の話」だから、その時点だとそこまで強くなかった、という解釈もあり得るのは、分かる。

だけど、よりによって「ピーチ姫に」教えさせる必要あった……?

なんか「強いピーチ姫像」のために「マリオという絶対的ヒーロー像」が犠牲になってるような気がして。

……いや、もちろんさ。
「アレは何度も失敗しても立ち直るプレイヤー目線なんだ」みたいな、そういう理屈も分かるのよ。
分かるんだけど……

ピーチじゃなくてキノピオに鍛えられた、っていう方がモヤモヤしなかったと思う。

でもこれ、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』なんだよね?
1985年に「スーパーマリオブラザーズ」が発売されてから、脈々と繋がれてきた「ピーチ姫をクッパから救い出すマリオというヒーロー」を、ここまで真逆に転換させる必要、あった?
35年以上だよ?
その間、お約束のようにピーチ姫はさらわれてきたわけで。

言うまでもなく、「この映画でもさらわれないとおかしい」とか「ピーチ姫が強いのはおかしい」なんて言いたいわけじゃない。
「実は才能がそこまで無かったマリオをシゴいたのはピーチでした」なんてのが観たくなかったんすよ。
ダメ押しのように「ピーチのほうがもっと早くクリアできた」とか言及されてるし。

そもそも、「独立して身内からバカにされて、それでもキノコ王国で花開いた」とか、そういうアメリカンドリーム的キャラとしてマリオを解釈してない、というか……

「諦めないのがマリオの魅力だ」みたいな書き方をしてるのは分かるんですよ。
でも。
やっぱり僕にとってマリオは(ちょっとしたチュートリアルのあとすぐ)ヤッハッとか言いながら壁蹴って屋上まで登っちゃうヤツだし、自分より遥かにでかい手強い敵が出てきてもホホッヤーとか言いながら倒しちゃうヤツなんですよ。
何度も言うけどもっと絶対的ヒーローなんですよ。
諦めないのはプレイヤーであって、彼は最初から絶対者なんです。

それが……よりによって実質的師匠がピーチかぁ……
うーん……

↑のブログから引用する。

いや、まあね? ものっそいぶっちゃけた話として、言うてそこにモヤついてんのって多分かなり少数派っぽいし、大多数のマリオファンがこの映画見て特にそういう所に引っかかりを覚えず素直に楽しめたんなら映画として大正解だった訳だし、そんな少数派のモヤつきとか全然重要じゃないんだろうというのは、まあ悲しいかなその通りなんですよ。
というかそもそも、そこ抜きにしてもなんだかんだである程度は楽しく映画見れた訳だし、そんな重箱の隅みたいな不満をグチグチつついても不毛じゃろってのは自分自身思うは思うんだけど。
ただなー、やっぱり何かこー、TLであんだけ絶賛されて(かつ低評価してる批評家とやらがあんだけ小馬鹿にされて)ると、「ガッカリしたりモヤついたりしてたの俺だけ? 皆そんな気にならんかったん?」って寂しい気持ちにはなったりならなかったりラジバンダリなんすよね。

もしかして、世間のマリオ像と僕のマリオ像はだいぶ乖離があるのか。
「ヒーローとしてのマリオ」にそこまで思い入れある人って少ないのかなぁ……。

かなりキツく言うと、
「色んなゲームから小ネタ拾って愛をアピールするくらいなら、もっと骨の部分で愛を見せてほしかった」って思ってしまった。

マリオにはもっとヒーローであってほしかったし、ドンキーにはもっとトボけたやつであってほしかった。(でなければSFCで2回も行方不明になってない……はず)
クッパ様は割と侵略先には容赦ないけど、身内の指ピアノで挟んだり急に焼き払ったりとかはしないヤツであってほしかった。
ルイージは……うん、ルイージは大体解釈合ってた。
キノピオは……うん、キノピオは解釈定まらねえや。

……まあ。
それでも、「クッパの抜けた悪役っぷり」とか、「ドンキーの主人公っぷり」みたいなのを今映画で観れた、っていうのは、それ自体は結構良かったと思ってて。

良かったと思うからこそ、もっともっとゲーマーを泣かせてほしかった、とか思っちゃうのは……贅沢なのかなぁ。
という感想でございました。

みなさんはどうでしたか。

ではまた。