Minakami Room

旅を続ける。考える。自由である。生きている。

G-SHOCKの沼に堕ちた経緯

現代はモノではなく、経験の時代。
物欲に支配されるなど愚の極み。
資本主義に踊らされているだけの愚か者だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愚か者は僕だった。

経緯

長らくApple Watchを使っていた。
確かに便利だった。
再生している音楽を手元で確認したり、ボリュームを調整したり、財布にもなったり、結構フル活用していた。

だが、充電の必要性が鬱陶しいのと、なんとなく機械に縛られている感じがしてシンプルな時計に回帰したくなったのだ。
そこで買ったのがこいつ。

knot-designs.com

 

knotの2022年限定モデル「夏天」。
我ながら非常にセンスの良い時計だと思う。

だが、

  • なまじっか限定モデルなので旅先で雑に扱いにくい
  • アナログ時計なのでストップウォッチ機能しかない

などがあり、多機能なデジタル時計も使いたくなってきた。
そこで引っ張り出したのが、こいつである。

いわゆる「チープカシオ」の中の最もシンプルと言っても過言ではないモデル。
ミニマリストの極北のような腕時計だ。
本格的にミニマリスト的な生活をしていた頃、あえてこれ一本で過ごしていた。

そして使っていた頃から数年ずっと引き出しに放り込んでいたが、何の問題もなく現在も使える。さすがのカシオだ。

さて、チープカシオはとても良いプロダクトなのだが、

  • ミュート機能がない
  • タイマー機能がない

などの弱点があった。
特にミュート機能などは今後資格試験を受けるにあたり、誤爆で音が鳴ることがない腕時計でかつ、正確な時間が一瞬で分かるデジタル時計という要請を満たす時計があると良いな……などと考えていた。
可能ならば電池切れの心配からも逃れたい。

そこで白羽の矢が立ったのがこいつである。

gshock.casio.com

言わずと知れたG-SHOCKである。
元々薄くコンパクトな時計が好きでチープカシオが好きだった僕は、G-SHOCKというものが無駄の極みのように思えていた。

タイマー機能などがある、といってもできることはチープカシオとほぼ変わらない。
チープカシオにもタイマー機能がある時計は存在する。
それでいて、G-SHOCKとチープカシオでは値段に大きな差がある。
何の意味があるのだ?
そもそも、「衝撃に強い」と言ってもチープカシオも薄くて軽い分、十分強いじゃないか。

……ん?

へぇ、案外Gショックって安いんだね……(2023年4月現在8000円前後)

それにキアヌ・リーブスが映画『スピード』で使っていたことで知られるモデル……
良いじゃないか。
僕はこういう「文脈」の存在にめっぽう弱いのだ。

だがこいつにはミュート機能がない。
相変わらず電池切れの心配もある。

じゃあソーラーだな。
あとせっかくなら電波機能も付いてる方が良いな。

悪くない。
だけどこのシリーズ、赤いラインが付いてたり、付いてなかったとしても液晶が青色だったりなのが気になるなぁ。

……ん?

こいつは見た目はシックだし、初代G-SHOCKであるDW-5000Cの直系にあたり、作りが通底しているらしい。型番が近いのは直系であるという証明だろう。

繰り返すが、僕はこういう「文脈」の存在にめっぽう弱い。

しかし……この価格か……
(2023年現在3万円前後)
もう「案外安い」とかそういう大義名分どっか行っちゃってるな……

……いいや買っちゃえ。

ということでG-SHOCK GW-5000Uをお迎えした。

そしてこいつがすこぶる気に入った。

現代の生活において「正確で」「電池が切れなくて」「バカみたいに丈夫」な時計など、オーバースペックの極みである。
不要なのである。
だが、そこにロマンがあるのだ。

隼、というバイクをご存知だろうか。

www1.suzuki.co.jp


余裕で時速300kmに到達するバイクである。
公道でそんな物騒なモノは必要ない。

だが、「いつでも300km出せる」という力は余裕に繋がり、その余裕はロマンに他ならない。
不要なものの中にこそ「粋」があるのだ。
ちなみに筆者の愛車はZ900RS、最大240kmくらい出るバイクである。
昔は大型バイクなんか乗るやつは非合理的なバカだと思っていた。
バカは僕だった。
だがロマンを愛するバカだ。

閑話休題。
要するに、Gショックとは隼なのである。
この腕時計なんざ要らない、スマホで十分なご時世にあえてこんなオーバースペックを求める。
そこにロマンがあるのだ。
何より見れば見るほどカッコいい。
チープカシオのミニマル感も良いが、それとは少し違った重厚なカッコよさがある。

昔はG-SHOCKなんて使うのは非合理的なバカだと思っていた。
バカは僕だった。
だが粋を愛するバカだ。

……自己弁護が酷い。

……さて。
こうなってくると、G-SHOCKが心底好きになってしまい、フォーマルな場所でも使えるメタルモデルが欲しくなってくる。
それならアナログが良いだろう。
これなんかとてもカッコいい。

というかマジでカッコいいな。

……。
気づいたら買っていた。

……だんだんメタルでアナログなモデルも欲しくなってきたな。
何?シックなマットブラックで表面だけ削り出してシルバーに輝くモデルがある?
そんなの……

もうダメだ……

で、こうなった。

さすがに気分やTPOに応じて使い分けられる限界だと思うので、これ以上増やす予定はないが、事故ってまだ増える可能性がある。

皆さんに言いたい。
G-SHOCKに手を出す際は、慎重になりましょう。

……と、ここまでの内容を当初予定していたのだが。
公開後、自分自身が過去に書いたこの記事がサジェストされた。
7年以上前の記事だ。

mistclast.hatenablog.com

文章の書き方も、金銭感覚も何もかも若く、今読むと少々恥ずかしい。
けれどもう写真すら失っている昔使っていた時計を久々に見ることができて、なんだかとても懐かしくなってしまった。
余談です。