Minakami Room

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『ドリキャン!!』読んでくれ!超熱いぞ!全話無料だ!

こんにちは、Mistirです。

「ジャンプしている」。

誰が言い出したか、この形容はジャンプ系統漫画で最高の褒め言葉とされている(要出典)

ジャンプの三大要素といえば「努力・友情・勝利」だが、筆者のここ数年の感覚としては良い意味で「ジャンプしていない」漫画……言い換えれば「邪道チックな」漫画がジャンプ本誌では躍進している気がする。
時代がそういった作品を求めているという側面もあるだろうし、単純に読者層が少し上の層になっている印象を受ける。

例えば。

筆者が「とにかく面白い!騙されたと思って2巻まで読んでくれ!」と主張し続けている『呪術廻戦』

呪術廻戦 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

呪術廻戦 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

 「強いやつは血統でも努力でもない、頭がおかしいやつ」
というブレない論理と倫理観に貫かれる、その価値観で言えば頭がおかしい作者が最強の漫画、『チェンソーマン』

チェンソーマン 1 (ジャンプコミックス)

チェンソーマン 1 (ジャンプコミックス)

 

などなど。

一方で、いくら邪道チックな漫画が増えたとはいえ天下の少年ジャンプ、最高に「ジャンプしている」漫画もある。

テーマがテーマだけに売れ行きは芳しくないようだが、ここ数年のジャンプで筆者が一番熱かったと思うのは『火ノ丸相撲』、特に高校インターハイ編だと思っている。

火ノ丸相撲 1 (ジャンプコミックス)

火ノ丸相撲 1 (ジャンプコミックス)

 

問答無用で「熱い」。
そんな火ノ丸相撲も最終話を迎え、ジャンプ本誌でここまでの熱さの漫画や展開には久しく出会えないでいた。

前置きが長くなった。

そう、出会えないでいたのだ。

出会ってしまった。

その漫画が連載されているのは、誰が言ったか三大要素が「性癖・性癖・性癖と呼ばれて久しい少年ジャンプ+。
エロい漫画多すぎる。それはそれでもっとやれ

そんな少年ジャンプ+に2018年末から連載が始まり……
週2回更新、フルカラーというトチ狂ったペースで2019年8月現在、60話以上連載し続けている作品がある。

そして、今どんな漫画よりも「ジャンプしている」その漫画が……

shonenjumpplus.com


『ドリキャン!!』だ。
なんと2019年8月現在、全話無料である。

この漫画は。
この漫画は、僕らが読みたかったスポーツ漫画そのものだ。

 


『ドリキャン!!』を全力で推す

正直に白状しよう。
最初はここまで熱苦しく面白いマンガになるとは微塵も思っていなかった。

ここ最近の展開は『火ノ丸相撲』インターハイ編決勝並みの熱さがずっと続いている。
……この例え、『火ノ丸相撲』読んでいない人には伝わらないのが悲しい……

とにかく、なかなか見かけないレベルの熱い展開がずっと続いているということだ。

あらすじを見てほしい。

「ドリフトはスポーツだ!」ゆるふわ大学生活を夢見て入学したドリフトの天才・轟輪(とどろきりん)の前に現れた廃部寸前の自動車部、通称シャブ。すべてを賭けた学生たちの青春が今始まる—!!

まあ要するにドリフト版頭文字D + けいおん!みたいなもん……
という印象になってしまうと思う。

序盤の展開に関しては、細かい描写の荒が目について退屈に感じる人も多いと思う。
それに何より登場人物の行動原理が全然掴めない。
多分第一話段階では全員ただの「やべーやつ」としか見えないと思う。

主人公もやたら天才であることは描写されているのだが、いかんせん展開が急だし、感情移入することはだいぶ厳しい。

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いくら可愛い女子大生の「天才」が出てきたところで、熱くもなんともない。
キャラの可愛さと物語の熱さはそうそう両立し得ない。
この作品も、ただ「キャラが可愛いだけ」「『ドリフト』という題材で奇をてらっただけ」の漫画に最初は見えてしまっていた。

ただ……
連載が進むにつれて……


明らかな「凄み」が出てくるッ!



その片鱗がわかるまで20話くらい要するので頑張って読んでほしい。

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この手の漫画の宿命として、やっぱり「主人公が自分で動き始めると急に物語が動き始める」というのはあると思う。
だがこの漫画はとりわけそれが大きい。
その展開まで20話を要するのだ。

作者もおそらくそのあたりから筆が乗ってきているのだと思う。
そのあたりまでを「序章」として、話はどんどん動き始め、呼応するように……画力が上がってくる。
筆が乗りすぎだ。

まぁ要するに、20話まで読めばそこからはドラマが急激に動き始めるので圧倒的に読みやすくなる。

また、序盤で「やべーやつ」でしかなかった奴らの行動原理がしっかりと伏線として回収されるので安心して読んでほしい。
例えば第2話でやべー行動しすぎて読者の大半をドン引きさせた(※コメント調べ) 藤山先輩だが……

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行動原理が説明されるのが第53-54話なのでかなり追いかける必要がある。
だけどそれを読んでからだと第1話の展開も納得できるようになる。

……というか。
54話読んでから1話読むとちょっと泣ける。
構成が見事なのだ。

さて。
ここまで書いてきて、「結局どんな物語なのか?」という説明を、僕はこの記事であまりしていない。
したところで、面白いものではない……
あるいはする必要がない。

なぜなら、この物語は題材がニッチなだけで超王道のスポーツ漫画だからだ。
ストーリーそのものに「意外性」があるわけではない。

だが、それは決して、決して「面白くない」ことを意味しない。

「王道」と「ベタ」は紙一重の存在だ。
迂闊に「ベタ」な展開をされても読者はシラケてしまうだけだ。

でも。
「こういうのが読みたかったんだよ!」と唸らされてしまう、そんな「王道」を同時に僕らは欲する。

断言する。
この漫画は、僕らが読みたかった「超王道」スポーツ漫画だ。

物語が進むにつれて、「ドリフト」という「魅せるスポーツ」と、「主人公の天才性」という2つの要素が、物語の中で高度にシンクロし始める。
それを感じた瞬間、この物語は「熱い」物語を欲していた僕らの心を捉えて離さなくなるだろう。

20話まででいい、一度読んでほしい。
今なら全話無料だ。
週2更新だからどんどん話数が追加されていくが、まだ追いつける。

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あとは任せた。

お読みいただきありがとうございました。
ではまた次の記事でお会いしましょう。