MistiRoom

"大丈夫 僕ら君の味方だよ" ーTHE YELLOW MONKEY『Horizon』よりー

物語化する世界と現実を揺れながら

こんにちは、Mistirです。

心が少し乱れているので、結論も持たず、語りたいことを語ろうと思う。


「現実が物語を超えていく」。

物語は、喜劇だけじゃない。悲劇も、もちろんある。

ここのところ。
時代の偶然か、必然なのか。

僕が思うに。
「物語より物語じみた」事件ばかり起こっている。

「そういった事件ばかりが盛り上がるだけだ」と、そうも言えるかもしれない。
けれど……まぁ。

とにかく、僕が脚本家なら「ベタすぎて却下したくなるような」そんな事件ばかり起こっている。


 

話は急に変わるけれど、最近『東京タラレバ娘』を読んだ。

東京タラレバ娘(1) (Kissコミックス)

東京タラレバ娘(1) (Kissコミックス)

 

有名な作品だし、僕が語ることもないかもしれない。
が、念のためあらすじ。

あの時彼がもう少しセンスが良かったらプロポーズを受けていたのに(倫子談)。バンドマンの彼がもう少し芽が出る可能性があったら'(香談)'。こうしていたら……、ああすれば……、高い理想を掲げて根拠もなく仮定の話を積み上げているうちに、気が付けば独身のまま33歳になっていた。

脚本家の鎌田倫子は、恋も仕事も上手くいかず、高校時代からの親友である小雪と焦りながらも「女子会」を繰り返す日々を送っていた。そんな話ばかりしていると、突然、金髪の美青年に「このタラレバ女!」と言い放たれてしまう。

いつのまにか金髪の美青年はいつもの飲み屋「呑んべえ」の常連となり、倫子たちと何かしら関わってくる。

ja.wikipedia.org


滅茶苦茶シニカルに現実を見据えながら、エンタメとしてのラインは守っていく作者に戦慄するんだけど……
僕がこれを読んで思ったのは、どこまでもこの作品が「現実的」だってことだった。

そりゃ、金髪のモデルとお知り合いになったり、エンタメとして「フィクション」の成分はガッと入ってるけど……
作品は途方もなく現実的だ。

何が現実的か?
婚期に焦る女性の描写が現実的だと、男である僕が言うのか?

そんなもの僕は分かるとは言えないけれど、よーくわかったことがひとつある。

「タラレバ娘」たちは、結局のところ……
「ごく普通の」欲望に、とても正直だ。
そして「普通の」欲望に振り回されて、不幸になったり、時に幸せになったりする。

付き合うなら、冴えない男じゃなく、イケメンがいい。
当たり前だ。
金を持ってる男がいい。
当たり前だ。
妥協はしたくない。
当たり前だ。

全てが、当たり前だ。

男に置き換えたっていい。
かのT.M.Revolution、西川貴教のアニキも「どうせなら街くらい綺麗な子と歩きたい」って言ってるし。

www.youtube.com


だけどこの「当たり前」っていう考え方は……
大なり小なり、社会なり他人なりに抑圧されてるものだ。
「ポリコレ」なんていう言葉を出すまでもない。

「物語」は、そんな「当たり前」を救ってくれる役割もある。

なんやかんや言っても、君ら美少女に囲まれたいやろ?
そんなもんそんなもん。
それでええねん。

……それでええ。それはそれでええ。

が。
この辺りで話を戻そう。

「現実が、物語を超えていく」。

言い換えると。
現実が一番虚構じみている。
少なくとも、ここ最近僕はそう思うことが増えた。

はっきり言ってしまって、こんなことを考えた最大のきっかけは……
川崎の事件と、元事務次官が息子を殺した事件だ。

特に後者について、僕はこんなツイートを残した。

僕は以上の立場だ。
だから、その「立場」からすれば、わずかでも元事務次官を肯定することができない。

だが。その立場を前提としても。

偶然……殺された被害者のツイートと、その反応をたまたま、読んでしまって。
これはここに載せたくないから、もし読みたければ各自自己責任で調べて頂きたいのだけれど……

あまりにも。
あまりにも出来すぎた「物語」がそこにあって。
僕は、それに激しく嫌悪した。
「物語」じみた現実に。
その現実を、「物語」として一瞬でも受容しようとした自分自身に。
そうすることが楽だと、そう思った自分に。

物語じゃねえ、現実なんだよ、人が死んでんだよ。
人が、死んでるんだよ。現実として。

だけど、あまりにも被害者のツイートが「虚構じみていて」。
それはおそらく、被害者の虚勢の表れだったのだろうけれど。
本当に「虚構じみていて」。

何を思えばいいのか、何も分からなくなってしまった。


……さて。話を今度は逆方向に戻そう。

『タラレバ娘』を、僕はどう楽しめばいいのか。
ああ、こんな現実もあるかと、リアルだと楽しめばいい。
物語は物語だ。いかにリアリティがあろうと、いかに含蓄があろうと、いかに下衆かろうと、物語は物語だ。

現実世界の中で、人は物語を楽しめる。

じゃあ、「物語じみた現実」は?

現実は現実で楽しめばいい。楽しめる現実は、楽しめばいい。
それを超える「悲劇じみた現実」は?

……なんてことを思ったけれど。
現実は、どこまでいっても、ただの現実だろう。
それ以上でもそれ以下でもない。

だけど。
この物語化する現実を。
物語のまま捉えようとしている自分に、人々に。

……途方もなく単純化するなら。
「これは悲劇だから、仕方ない」という諦めと受容と、あるいは……

それを少しでも、熱狂じみた感情で受け入れる世間、あるいは自分に。
あるいは、「ああ、悲劇」と単純化しようとする心に。
怒りに。分断に。悲しみに。

ノーと言わなければならないと。そう思ったのだ。

(大袈裟だ、被害妄想的だと言うなら殺された被害者のツイートに寄せられたリプライを読んでみるといい、僕の言っていることがよく分かると思う)

……

今Mistirが一番オススメする漫画は『呪術廻戦』です!
超面白いぜ!!!!!
1巻はイマイチだけど、2巻から鬼のような勢いで面白くなるから絶対読んでくれよな!

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お読み頂きありがとうございました。
ではまた次の記事でお会いしましょう。