Minakami Room

旅を続ける。考える。自由である。生きている。

平成の終わりに、進化したネット依存について考え直してみる

こんにちは、Mistirです。

思いつきで一週間ほどTwitterとニコ動とYouTube、その他ネットサーフィンを断ってみた。

すると、色んなことが見えてきた。

 

 

いろんなことを辞めたくなる

そもそもなぜそんなことを始めてみたのかというと、色々辞めてみたいことばかりだったからです。
……いや、この説明も唐突ですね……

仕事はまぁとりあえず保留としても。
グダグダ悪いことばかり考えたり、とりあえず酒に逃げたり、そんな状況を一度俯瞰してみたかっただけだ。
断ち切るかどうかは、後で考えればいい。

ということで。
依存に関する本を色々読んでるうちに。

マンガで分かる心療内科 依存症編(酒・タバコ・薬物)(1) (ヤングキングコミックス)

マンガで分かる心療内科 依存症編(酒・タバコ・薬物)(1) (ヤングキングコミックス)

 

 


……とりあえず、やたら時間を日々消費している
・Twitter
・YouTube
・ニコ動
を断ってみることにした。

すると、こいつらの共通点が見えてきた。

加速する世界で

世界は"加速"している……ッ!
スタンド攻撃か!!!

いや、何もかも加速し過ぎなんですよ。
というか……

情報速度の加速は、あらゆるものの加速を意味するんです。

情報の移ろいが速いから、ビジネスの移ろいも速い。情報についていけないやつは置いていかれる。
というか、普通はついていけねえから普通の人は基本的に大半置いていかれる。

そんな世界で。
娯楽の速度は、猛烈に加速する。

1.仕事に時間をかけてはいられない。
2.日常生活に時間をかけてはいられない
3.情報収集に時間をかけてはいられない
4.娯楽に時間をかけてはいられない

5.人生に時間をかけてはいられない

……世界はどんどん、「速さ」を求め始める。

Tik Tokがちょっと前から流行したけど、アレは完全に今の世の中のロジックを理解したもので、なんせ投稿できる動画は最大でも60秒だという。

Tik Tok (アプリ) - Wikipedia


いっとき有名になったけど

f:id:Mistclast:20180908122003j:plain

これ、今見ると賛同できるかどうかは別にして、かなり味わい深い。
この発言は2012年らしいが、その頃よりさらに「ゲーム」という言葉は「ソーシャルゲーム」の意味合いを強めている。

さて、ソシャゲに限らず今の世の中……

「無料の暇つぶし」が、いくらなんでも多すぎる。

「暇つぶし」という言葉は、立ち止まって考えてみたほうが良い言葉だ。
この言葉は結構趣深いもので……
普通、バイクツーリングやキャンプ、映画を「暇つぶし」と呼ぶことはない。
もし映画を「暇つぶし」と呼ぶとすれば、「人生なんて暇つぶしだよ」というのとあまり変わらない。ちょっと気取ったニュアンスがある。

要するに、「暇つぶし」という言葉は「娯楽」や「趣味」に属するものの中では「低ランク」の存在ってわけだ。

何故低ランク扱いされるのか?
そいつらは、「何も残さない割に、割と速攻で人を幸せにしてくれる」のである。

で、そういったコンテンツって依存性があるのは当然で、しかも慣れれば慣れるほど「もっと欲しい」と思ってしまう。

僕にとってはニコ動も、YouTubeも、ツイッターも同じだった。
「もっと面白いものが見つかるかもしれない」
その無駄な探究心は、寝転がったまま無限に「お宝探し」を続けさせてくれる……

そんなところに宝なんてあるはずがないのに。
Twitterに至っては99.99%がゴミである。
タチのわるいことに、そんなゴミが一番面白いのだ。

……ここで断っておきたいが、僕はそれらのコンテンツを「無駄」として切り捨てたいわけじゃない。
というか、そういったコンテンツがない世界は……それはそれで、猛烈につまらない。

一方で「このコンテンツの充実っぷりはさすがにヤバくね?」っていう気もしないでもない。

多分、そういったコンテンツがない世界での最大の娯楽って「酒」だったのだと思うのだけれど、酒は無限に飲めるわけじゃないし、飲みすぎると反動が来る。

一方で、ネット上の有象無象のコンテンツは「反動」なく無限に楽しめてしまう。
……それで本人が幸せならいいんだけど、大抵の場合後悔するんだよね……

どんどん「もっと面白いもの」を求め続ける。
「もっと面白いものがあるかもしれない」を求め続ける。

そう言えば思い出したのだが、
SNSの「引っ張って更新」デザインはやべえ、と。
このデザインを「生み出してしまった」デザイナーは猛烈に後悔しているらしい。

www.businessinsider.jp


多分、あの「引っ張って更新」の瞬間、脳から快楽物質的なものがパッと出ているのだろう。
そして人は無限にそれを求めてしまう……

……猿にナニを覚えさせると無限に続ける、みたいな話があるが、アレはどうやら嘘らしい。
冷静に考えると当然だ。性欲には限界がある。

だけど、「引っ張って更新」を求める心には、性欲のような本能的限界がない。
一方で理性的に「やべぇこれ」っていうアラートは存在する。
多分大半の人が1時間(あるいは10分、30分、2時間?) 程ツイッターを眺め続けた時点で「面白くないなぁこれ」とか「やべぇこれ」って思って、そこで「やめる」。

……その後。
そのままスムーズな流れでソシャゲに移行する人は少なくないだろう。
理性的な「やべぇこれ」っていうアラートは……鳴り止んでいるから。

速さを求める世界と、人が無限に「小さくて手軽な快楽を」求めてしまう性質。
見事なまでに噛み合っている。噛み合い過ぎている。

そして無限に時間を潰してしまう。

……のはまぁ。
別に良いかなぁって思う。いや、良くないんだけど。
少なくとも僕には。僕にとっては。
それ以上に「これやべぇな」って思うことが見つかった。

実は1週間、好きなサイトから離れてみたことで見えてきた中で最大の事実は……


鍛えろ、顎の力を!

話は変わるが、『六花の勇者』というアニメがある。

f:id:Mistclast:20180908130150p:plain


話が変わりすぎだって?ハッハッハ君たちはせっかちだな!
少しくらい僕と付き合いなよ!きっと良いことあるよ!

最近仕事してるときも通勤してるときもずっと音楽聴いてるんだけど、
前から好きだったMiChiさんの"Cry for the truth" がこのアニメのオープニングだって知ってから、すごく興味が湧いてたんです。


【MICHI】Debut Single「Cry for the Truth」MV (FULL)【六花の勇者】


で、観てみた。

簡単に説明すると、このアニメは「復活した魔神を倒すため、神に選ばれた6人の勇者、通称『六花の勇者』の物語」だ。

4話まではちょっと邪道ファンタジー風、それでも一言で言って「クッソ地味な」展開が続く。

急に雰囲気が変わるのは4話ラストシーン以降だ。

4話のラストシーン、六花の勇者が集結する。
密閉された空間に、7人。

そう、7人。

ここから。
大傑作、『12人の怒れる男』のような、密室クローズドサスペンスが始まる。

十二人の怒れる男 [Blu-ray]

十二人の怒れる男 [Blu-ray]

 

「心を許したら殺される」という疑心暗鬼の世界。
「7人目」は誰だ……?

ツッコミどころもあるのだが、物凄く面白かった。

平日、次の日仕事があるにも関わらず……最終話まで一気に観てしまった。
深い満足感があった。

このアニメは周囲にも「序盤で切った」人が多く、急激に面白くなる4話後半まで「耐えられなかった」人が多かったらしい。
ある意味当然で、4話までは世界観の説明と、「7人目」を推測するためのキーの提示だけに費やされている。

さて。
……もう、僕が言いたいことをお分かりかもしれない。

現代は。
「面白くなかったら、切る」のだ。
「噛み砕けなかったら、切る」のだ。

結局、「ゲームが昔より面倒くさくなった」というのもそういうことかもしれない。「面白くなるところ」まで耐えられないのだ。

※実は、このことは昔にも考えたことがあって、「ゲーム 面倒くさい」で検索すると僕のブログがヒットする。今読むと切り口や語り方が結構違うので、興味ある人はよろしければ……

それと、もう一つ。
最も大事なこと。
そう、最も大事なことは、かならず最後に見つかる。


……夢中になって、没頭して、夜更かしして、最後まで見てしまった。
……そんな経験、久しぶりだった。凄く。
そしてそれは。
とてもとても、大事なことだと思った。

要は、「咀嚼力」なのだ。「顎の力」なのだ。
本当に美味いものを、一番美味い状態で食うためには、目先の簡単に食える美味いものに惑わされない必要がある。

自分では自由に好き勝手やってると思ってたら、「好き勝手に摂取できる最も表層部分」だけしか摂取できない身体になっていた。
それは僕の求める自由ではない。

結局のところ、僕は強欲なのだ。
何も捨てたくない。

……だからこそ、何かを捨てなければならない。

クドクド語ったけど、「これ、手軽に幸せになれるな」ってモノからは距離を置いたほうが良いのだ、というのが結論だ。
多分そいつは本当の幸せを遠ざけるから。

さて。
平成の次の日本は、世界は、どうなるか。
多分、もっと加速する一方で「ゆっくり」の価値が異様に上がるんじゃないかな。
でも、ここで書いたようなことに気付いてないと「ゆっくりすること」を「焦る」ようになるんじゃないだろうか。
「とにかく、急いで、ゆっくりしなければならない」。
……まぁ、そういうことを考えていたのは、他の誰でもない、僕自身なのだけれど。

大事なのは、普段からゆっくりしておくことなのかもしれない。
以下に世界が速かろうが、意識的に、その速さから離れてみることが大事なのかもしれない……

……完ッ全に余談ですが、YouTubeを断ったと言いつつも委員長とDWUの対談は観ちゃいました。めっちゃ面白かったです。


【DWU VS 月ノ美兎】危険なロシアンルーレット【#013】



お読みいただき、ありがとうございました。
ではまた次の記事でお会いしましょう。