Minakami Room

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「記者は国民の代表」と言ってプチ炎上したジャーナリスト:清水潔氏のこと

こんにちは、Mistirです。

この件。

このツイートがプチ炎上してたんだけど、「まぁ当然だよなぁ」って話。

で、実は僕はこの清水潔って方、「凄い人だ」とは思ってる。
ただ一方、Twitterでの振る舞いがあまりよろしくないので、「もうちょいネットリテラシー学んだほうが良いよなぁ」とも思ってる。

少しだけ語ろう。

 

 

清水潔ってどんな人?

清水潔 (ジャーナリスト) - Wikipedia

この人の代表作はやはり『殺人犯はそこにいる』だろう。

殺人犯はそこにいる (新潮文庫 し 53-2)

殺人犯はそこにいる (新潮文庫 し 53-2)

 

 「知らねーよ!」って方もいるかもしれないけど、「ある企画」で話題になった本だ。

www.shinchosha.co.jp

「文庫x」という企画。
盛岡の「さわや書店フェザン店」で、「書籍のタイトルを隠された状態」で「文庫x」として販売された。
その売り方を決めた書店員は、その意図についてこう語っている。

 申し訳ありません。僕はこの本をどう勧めたらいいか分かりませんでした。どうやったら「面白い」「魅力的だ」と思ってもらえるのか、思いつきませんでした。
 だからこうして、タイトルを隠して売ることに決めました。
 この本を読んで心が動かされない人はいない、と固く信じています。 

まぁ確かに『殺人犯はそこにいる』ってタイトルじゃ、どんな説明しても売れないわな。
さわや書店で話題になった後、この企画は全国の書店で展開された。

とりあえず僕も「極端な政治思想とか宗教とか扱った本ならクレーム入れてやる」と思いつつ、「文庫x」を読んでみた。

……凄い本だった。
北関東連続幼女誘拐事件という、未だ未解決の、あまりにも大きな「冤罪事件」を取り扱ったものだ。

北関東連続幼女誘拐殺人事件 - Wikipedia

おそらく冤罪事件史上でも非常に有名な事件だが……

清水氏の凄いところは、地道なフィールドワークと追求の結果、最終的に「冤罪を証明し」、無罪を勝ち取ることに大きな役割を果たしたことだ。

『殺人犯はそこにいる』は、ノンフィクションにも関わらず、日本推理作家協会賞を受賞している。読んで頂くと必ず理解できるが、面白い推理小説以上のスリルがあるし、ぞっとする内容だ。

……と、まぁ。
ここまでベタ褒めだけれど。

……ぶっちゃけ、この人はいつか炎上するだろうなぁTwitter見てて思っていた。

あまりにもネット慣れしてなさすぎる

はい、タイトルが全てです。

というか思想が相当「左派」に振り切ってる。
まぁどんな思想を持とうが勿論何の問題もないんだけど……

言動が、一昔前にネットによくいた「一言多い左派」なのは、正直どうかと思っていた。

うん、一言多いよ。

『殺人犯はそこにいる』を読んでてはっきりと思ったけど、直情的な情熱を地道な調査の原動力にするタイプの人だと思った。
『殺人犯はそこにいる』のある種最大の魅力はそこで、筆者の感情が露骨に筆に乗ってるから、小説を読むようにどんどん感情移入ができて、読みやすい。

ただ、一方でそれが強すぎて「そこ、論理ちょっと危ういぞ?」と思ったところは結構あった。

Twitterではどうやら、論理をきっちり構築する前に、感情で発言してしまう傾向があるようだ。

この件に関しては調べて頂くと理解できるが、「言葉の定義の上」ではどう解釈しても「不時着」だ。

www.buzzfeed.com

なんというか、色々と勿体無い。

ということで

まぁお分かり頂いたと思うのだけれど、この記事はなんというか、なるべく「フラットに」書いたつもりです。
というかジャーナリストとしての清水潔さんのことは結構尊敬してて、凄い本を書くなぁ、というのは凄く理解っているからこそ……

なんだか、この人が「似非ジャーナリスト」みたいに呼ばれているのは、なんか違うだろうと思った。

だけど一方で。
これだけネット上にせよ何にせよ「マスコミの立場」が怪しまれている以上、傲慢とも取れる発言や「一言多い発言」で敵を作る必要は何も無いと思う。
「炎上商法」なんてする必要ない。たまにそういったことを意図的にしてる人はいるが……

これは憶測に過ぎないけど。
清水氏の場合、多分、ただの天然だ。

この記事には「そんなところで評判下げないでいいじゃない」という、清水氏に対するデジタルネイティブ世代としてのちょっとした老婆心も含まれている。
取り急ぎ清水氏には「ネットリテラシーの一通りの勉強」と「炎上し易いツイートの特徴」みたいなものを一通り勉強してもらうか、その時間がないなら「ツイートする前に一呼吸置いてみる」ことをオススメしたい。

まぁ。
ツイートの質はともかく、ジャーナリストとしてはどう考えても「一流」の人だよってことをお伝えしたかったのです。
こんな人だからこそ、面白い本が書けるんだと言われればそれまでなんだけどね。

お読み頂き、ありがとうございました。
ではまた次の記事で。